イ・サロニスティ

甦るあの感動!!大ヒット映画「タイタニック」で沈みゆく船上で音楽を奏で続けたサロンの楽師たち。「タイタニック」「海の上のピアニスト」など不巧の名作の数々を最高の演奏で!

サロンの楽師たち"イ・サロニスティ"が今世紀最大の注目をあびている。いや、以前からヨーロッパ各地では、その定評のあるサウンド、洒落とアイロニーを併せもったサロンムジカーの第一人者として名を馳せていた。スイスのフィルムフェスティバルではチャップリンの無声映画と生演奏で共演、またバレエの新作と共演するなど、常に新しく面白い企画を次々と手掛けてきた。その彼等が映画「タイタニック」(1998)に出演したことで、さらに世界的に注目を集めている。

 

サロンミュージックは19世紀後半からウィーンのカフェ、ヴェネツィアのホテル、ベルリンのナイトクラブ、ブエノスアイレスのタンゴホール等あらゆる所で演奏されていた。そのようなサロンは外部から遮断された雰囲気の中で束の間の安らぎに人々を誘った。ロートレックやマルラメたち画家や詩人がその中で影響しあい、ブラームス、サティ、N.ロータら様々な作曲家たちの音楽にも多大なる影響をもたらしたのである。イ・サロニスティの音楽は生粋のサロンアンサンブルである。かのサロン全盛期の時代に史的にはやや軽んぜられてきた文化面の生活様態を、コンサートを通じて甦らせようとしている。彼らの音楽の独特の味わい、演奏解釈、その音楽性、鋭いカン、高い力量は以前からヨーロッパ各地で絶賛され、大きな話題となっていた。さらに1万曲を超える膨大なレパートリー、純粋なクラシックから、ポピュラー、タンゴ、各地の民謡、映画音楽、ディズニーメドレーまでも幅広くこなし、その確かな演奏技巧とアレンジの素晴らしさで、絶妙なアンサンブルを聴かせるのである。その洗練されたノリの良さで奏でられる音楽の数々は、ときには心が浮き立つような喜びと爽やかな躍動感にあふれ、ときには20世紀末のダンディズムを漂わせてスイートな表情と共にいつも新しい何かを楽しませてくれる。そして、その根底に常に流れているのは温かいメッセージとヒューマンな魅力。誰でも楽しめてひたすら心地よい雰囲気にさせてくれるのだ。

映画「タイタニック」中でも広間の雰囲気を大いに盛り上げ、最後は沈みゆく船中に残り死の間際まで音楽を奏で続けた楽師達の役で感動をよんだ。最後に人の心を救うのは金でも物でもない、心である。それを音楽を通じて伝えたいという、彼等らしい役どころであった。

その彼等の来日公演。あのタイタニックの感動が甦る。懐かしい映画音楽から美しいクラシックのアンサンブルまで、幅広いレパートリーと見事な演奏で観る者を新鮮に魅了する。

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